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台風の被害に遭った時の国民健康保険料や所得税の控除ついて解説

「災害になった時には、保険料や税金を払うことができない」
「災害で毀損した建物などの固定資産税は払う必要がある?」

など、災害時の税や各種保険料の支払いについて不安や疑問を感じている人も多いのではないでしょうか?

国や自治体は被災された方のために様々な減免や猶予の措置を設けています。
災害時に日常生活が困難なほど被災された場合には、税や社会保険料の支払いを心配する必要はありません。

台風の被害に遭われた方には、どのような減免猶予の措置が設けられているのか、詳しく解説します。

台風の被害に遭った時の税金の減免措置等

台風の被害に遭った時には所得税や固定資産税の減免や猶予を受けることができます。

ただし「台風被害に遭った」というだけでは減免や猶予を受けることはできず、減免・猶予のためには一定の条件を満たす必要があります。

所得税の減免措置または雑損控除

台風によって被害を受けた方は、「所得税の減免措置」か「雑損控除」のいずれか有利な方を選択することができます。

所得税の減免措置

所得税の減免措置とは、災害で家具や家屋へ50%以上の損害を受けた年収1,000万円以下の人に対して以下の所得税の減免が行われるものです。

合計所得額 軽減又は免除される所得税
500万円以下 所得税の額の全額
500万円超750万円以下 所得税の額の2分の1
750万円超1,000万円以下 所得税の額の4分の1

 

雑損控除

雑損控除とは、災害・盗難・横領などによって、資産について損害を受けた場合に受けることができる所得控除で、台風災害によって家屋や家財などに受けた損害も雑損控除することができます。

以下の2つのいずれか多い方の金額を控除することができます。

  • 差引損失額 - 総所得金額等 × 10%
  • 差引損失額のうち災害関連支出の金額 - 5万円

雑損控除は資産への損害が50%未満でも控除を受けることができるので、所得税の減免措置を利用することができない人でも利用できる方法です。

災害での損失が小さい場合は雑損控除の方が有利になることもありますし、所得が大きな人は所得税の減免措置の方が有利になる可能性もあります。

いずれか有利な方を選択するようにしましょう。

最大2ヶ月申告期限を延長

台風の災害によって期日までに税務申告をすることができない場合は、税務署長へ申請し承認を得ることによって、最大2ヶ月まで申告期限を延長することができます。

申告の時期と台風災害が重なってしまっても安心です。

自治体によっては固定資産税の減免措置も

地方自治体によっては固定資産税の減免措置を行っていることもあります。

令和元年台風19号によって大きな被害を受けた長野市では以下のような固定資産税・都市計画税の減免措置を行っています。

資産 損害の程度 減免の割合
家屋 災害による被害家屋調査結果が、全壊・大規模半壊・半壊の場合 被害の程度により40%から100%
償却資産 既に申告がある資産で、除却または用途廃止となった場合 被害の程度により40%から100%
土地 地盤の崩壊等により形状が著しく変形した場合 被害の程度により40%から100%

台風被害によって、固定資産が使用できない状態になったため、損害分の固定資産税は減免されるようになっています。

台風の被害に遭った場合の社会保険料の減免措置

台風の被害に遭った場合には、社会保険料についても減免や猶予を受けることができる場合があります。

減免や猶予の対象になるのは以下の3つの社会保険です。

  • 国民健康保険
  • 介護保険
  • 国民年金

健康保険料の減免措置

台風によって被害に遭われた方は国民健康保険料の免除や減免を受けることができます。

具体的には「窓口負担の免除」や「保険料の減免」という形で支援を受けることができます。

窓口負担の免除

病院などで診察を受けるためには、保険者の年齢などに応じた自己負担分が発生します。

しかし台風災害によって一定の被害を受けた人は、窓口負担の自己負担分の支払いが免除されます。

この他、台風災害によって保険証を紛失してしまった場合も、医療機関窓口でその旨を伝えることで保険適用の診療を受けることができます。

また、被災後に病院や薬局などに支払った医療費がある場合には、その負担分の還付を受けることができる場合もあります。

制度の細かい要件は地方自治体によって異なるので、詳しくはお住まいの市区町村役場まで確認してください。

国民健康保険料の減免

住宅の損壊が一定以上の人は国民健康保険料の支払いを一部また全部減免を受けることができます。

例えば台風19号で被災した長野市の場合には

  • 全壊:100%
  • 半壊・大規模半壊・床上浸水:50%

の割合で国民健康保険料が一定期間減免されます。

台風で家屋が全壊してしまった場合には、一定期間、国民健康保険の支払いを全額免除されます。

介護保険料の減免措置

介護保険料も台風被害に遭われた方々に減免や免除の措置が用意されています。

介護保険の免除や減免措置は、介護サービス利用料の免除と、介護保険料の免除に分かれます。

介護サービス利用料一部負担額の免除

自宅が損壊した方や、主たる生計維持者の死亡や失職などによって収入の確保が困難な場合は、一定期間介護サービス利用料を免除することができます。

介護サービス利用料は要介護認定や施設によって異なりますが、被災をされた方は一定期間介護サービス利用料を負担することなく介護サービスを受けることができます。

月々支払うお金がなくても、これまで通りの介護サービスを受けることが可能です。

介護保険料の減免

65歳以上の方で台風に被災された方は介護保険料の減免を受けることができます。

例えば台風19号で被災した長野市では以下のような減免措置が取られました。

区分 減免の割合
居住する住宅の全壊 全部
居住する住宅の半壊・大規模半壊・床上浸水 50%
主たる生計維持者が死亡、障害者となった、重篤な傷病を負った 全部
主たる生計維持者の収入減 全部、80%

該当する方は1年程度介護保険料の減免を受けることができます。

国民年金保険料の減免措置

国は台風19号によって被災した方が以下の条件を満たす場合には国民年金保険料を免除するとしています。

「住宅、家財、その他の財産のうち、被害金額がおおむね2分の1以上の損害を受けられた方」

台風によって住宅や家財が大きな損害を受けた場合には、年金事務所に申し出ることによって保険料の免除を受けることができます。

まとめ

台風などの災害に遭ってしまった方は、まずは日常生活の復旧が第一です。

生活復旧に大変な時に、無理して税金や社会保険料を納めなくてもいいように、国や地方自治体は様々な減免措置を用意しています。

台風災害などで、「大切な一家の稼ぎ手を無くしてしまった」、「家屋や家財が損傷してしまった」という場合には、公的な助けが用意されています。

まずはお住まいの市区町村役場にどのような制度があるのかについて確認してみましょう。