台風がもたらす被害は多岐にわたりますが、そのなかでも深刻なのは屋根の破損です。
屋根に穴があいてしまうと、外気だけでなく雨水が屋根裏に入ってくるようになります。
そのまま室内に落ちてくることも多いですが、落ちてこない場合も決して油断しないでください。
なぜなら、溜まった雨水が資材を腐食させてしまう可能性が高いからです。
放置していると水が落ちてくるだけでなく、天井が崩れおちてくるような事態にもなりかねません。
したがって、屋根に被害が生じたと分かった時点で早急に対策しましょう。
一見頑丈に思える瓦屋根に関しても同様なので注意が必要です。
ヒビが少し入った程度では影響がないと感じる人もいます。
1枚飛ばされたぐらいなら気にしない人も多く見受けられます。
それらの場合でも、放っておくと上記のような事態を招くことが珍しくありません。
いずれの場合も楽観視せずに、早急に工務店に連絡して直してもらってください。
とはいえ、台風でそれだけの被害が出ている状況だと、連絡をしてもすぐには来てもらえない可能性があります。
周囲の住宅も被害が遭っている可能性が高く、自分の順番が回ってくるのに数日かかることが多いです。
それまでに雨が降ると住宅はさらなるダメージを受けてしまいます。
したがって、自分たちで応急処置をした方が良いと考える人が多いでしょう。
屋根に上って作業をするのは非常に危険です。
基本的には、多少遅くなったとしても工務店に任せるのが望ましいといえます。
しかし梅雨の時期などは、我慢できないと考えるのも無理のない話です。
推奨はできませんが、自分で応急処置をする方法は存在します。
以下を実施するのであれば、危険性を十分に理解したうえであくまでも自己責任で行ってください。
資材を用いて屋根を加工して穴を塞ごうと思う人もいるでしょう。
DIYが得意な人はそう考えがちですが、その方針は正しいとはいえません。
きれいに直ったように見えても、雨は隙間から簡単に侵入してきます。
水が少しも入らないように、ぴったりと加工するのは非常に難しいので甘く見てはいけません。
上手な人が加工すると最初のうちは雨が入ってこない場合もあるでしょう。
しかし屋根は風雨や日差しに晒されており、しばらくすると劣化して耐久性が下がっていきます。
その結果、やはり隙間が生じてしまい、浸水を許してしまう可能性が高いです。
強風で資材が吹き飛ぶような事態になると、周囲の住宅を破損させるような二次被害を招きかねません。
そこでポイントになるのは手軽に処理できて、万が一吹き飛んでも被害を与えずに済む方法を選択することです。具体的には穴を覆うようにブルーシートをかける方法が挙げられます。
そう言われると、屋根に上りさえすればブルーシートをかけるのは簡単だと思う人もいるでしょう。
たしかにかけるだけならそれほど難しくありませんが、かけただけでは風で簡単に飛ばされてしまいます。
したがって、何らかの方法でしっかりと固定しなければなりません。
そのため、数分では終わらないことが多いので、いろいろな点に注意する必要があります。
たとえば、服装を慎重に選ぶことも大切なポイントです。
当然ですが高所で作業することになるので、転を防止する備えは万全に行われなければなりません。
服装の選び方は安全に大きく関わるので軽視しないでください。
どのような高さであれば、必須となるのはヘルメットです。自分の頭に合った適切なサイズを用意することが重要になります。
余裕があった方が衝撃を和らげられそうなイメージがあり、大きめのサイズを選ぶ人が多いです。
しかし余裕があると、その分だけずれやすくなるので良くありません。
前にずれると視界が遮られてとても危険な状態になってしまいます。
できるだけフィットしたものを選んで、あご紐などでしっかり調整するようにしてください。
トップスとボトムは長袖と長ズボンにするのが基本で、靴は裏側がゴムでできた滑りにくいものを選択しなければなりません。
ブルーシートの固定の仕方はいくつも種類がありますが、最もシンプルなのは重しを用意する方法です。
かたいレンガなどは危険なのでじょうを用意すると良いでしょう。
ブルーシートを広げた後に屋根の形状を考慮しながら置いていきます。
たとえば瓦屋根であれば、棟瓦をまたぐ形で紐で結んだ2つの土じょうを配置していきます。
それが終わったら、端の方のリングに土じょうを結び付けていきましょう。
そして、結び付けた土じょうはブルーシートの上に置きます。
屋根のうえで重いものを運ぶのはとても危険なので、2人以上で安全確認を徹底しながら行う必要があります。
ここまで完了したら、後は工務店の修理を待ちましょう。
屋根全体が劣化しているならリフォームしてもらうのも一つ手です。
屋根を取り替える方法の他に、既存部に重ねて補強する施工法などもあります。
検査してもらったうえで、次に台風が来ても問題がないように適切なものを選択しましょう。
台風などによる水害で火災保険を申請するとき、知らないうちに損しているかもしれません。
火災保険の申請は、一度プロに家の状態を見てもらってからがオススメ!
数百万円の補償金が降りることもある火災保険なので、知らないと数十万円も損してしまうケースも?!