毎年、台風シーズンになるとテレビやSNSで必ず目にするようになるのが、「台風に備えましょう」という言葉。
しかし、実際に台風への対策や備えをしている方は多くないように思います。
そして、筆者もその一人でした。
超大型台風と繰り返しテレビで報道され、発生から接近まで数日あったにもかかわらず、被災する当日までなにもせず、自宅に戻った時には9割以上のものが被害に遭っていました。

今思えば、もっと被害を少なくできた、被害金額を軽くすることができたと、後悔している点がたくさんあります。
そこでこの記事では、実際に台風によって自宅が半壊して数百万円の被害を出してしまった筆者が、本当にやっておくべき台風への備えや対策をご紹介します。
「うちは大丈夫」そう思う気持ちは痛いほどわかります。
しかし、筆者は数十年間で一度も大きな台風被害や浸水被害がなかったとされる地域の元自宅で、地上から約2メートルの浸水被害を受けました。

のちに後悔することが無いよう、対策できるタイミングで万全の備えをとっていただければと思います。
なお、最新の台風・水害情報は気象庁、のホームページや各ニュースサイトをご覧ください。
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普段からの台風に備えた対策とは
台風が発生、接近してからでもできる台風対策もありますが、やはり重要となるのは普段からの備えです。
ギリギリでの対策は時間もなく焦ってしまいますし、普段からの準備がないため対策のしようがないということもあります。
まずは、台風が発生する前に備えておきたい対策からご紹介します。
非常用持ち出しバッグ
実際に台風で避難しなければいけないシチュエーションに立たされた際に、前々から準備しておけばよかったと後悔したのが、非常用持ち出しバッグです。
1から避難用の荷物を集めていくのは非常に時間がかかり、いざ荷造りをしようと思っても何が必要なのか全くわかりませんでした。
非常用持ち出しバッグの中に入る程度の荷物ではどうしようもないとの意見もTwitterでは目にしました。
しかし、有事の際には最低限の準備がしてあるというのは焦りの解消にもつながります。
たしかに、非常用持ち出しバッグひとつで避難するのは万全とは言えないですが、非常用持ち出しバッグと一緒に持ち出すべき貴重品などのメモ書きを準備してバッグに入れておくこともできます。
そのため、まずは非常用持ち出しバッグから準備しましょう。

台風19号で被災した後、購入したのが認定防災士監修の非常用持ち出しバッグです。
筆者の家族構成は、妻と子供2人(0歳・1歳)、そして柴犬1匹なので、単身世帯と比べると必要な荷物の量は多いかと思います。
そのため、家族がいてもとりあえず安心な非常用持ち出しバッグを選びました。
スタイリッシュでおしゃれな防災バッグも多くありますが、
- 大容量
- 動きやすい構造
- 暗い場所でも目に付く明るいカラーリング
という3つのポイントからこの非常用持ち出しバッグを選びました。
長時間背負ったまま歩き続けなければならない可能性も考慮して、長時間背負っても疲れにくい「肩ずれしない」構造のバッグを選ぶようにしましょう。
台風の際などは、豪雨の中を避難しなければならない可能性もあります。
そのため、防水・撥水加工になっていること、また夜間移動することも考えて明るいカラーリングや反射板がついていることも非常用持ち出しバッグを選ぶ際のポイントです。
決して安くはありませんが、もしもの時のことを考えるとそこまで高額というわけではないかと思います。
モバイルバッテリーや予備電池
日常時・非常時問わず、現代の生活になくてはならないのがスマートフォンです。
家族や友人などの安否確認を行う携帯電話としての役割はもちろん、SNSやニュースサイトで被害状況や復旧支援の情報を得ることも可能です。
しかし、そのスマートフォンが使えなくなってしまうと、情報が立たれてしまい、被害の全貌すらも見えない不安に襲われてしまいます。
そんな最悪の事態を避けるためにも、スマートフォンとセットでモバイルバッテリーを準備しておきましょう。
すでに持っているから大丈夫と思うかもしれませんが、普段使っているモバイルバッテリーは充電がマックスまでされていなかったり、持ち運ぶ前提でコンパクトで低用量のものを選んでいませんか?
災害時には、何日間その状況が続くのかわかりません。
そのため、大容量のモバイルバッテリーや太陽光で充電できるタイプのモバイルバッテリーを準備しておくことをおすすめします
筆者が被災し、少し落ち着いた頃に購入したのがモバイルバッテリーや充電器などのガジェットで定番のAnkerのモバイルバッテリー「Anker PowerCore 26800」です。
これまでモバイルバッテリーをいくつか購入してきましたが、ノーブランドのモバイルバッテリーはすぐに使用できなくなるということがありましたので、モバイルバッテリーはブランドで選ぶのがおすすめです。
Anker PowerCore 26800は超スリムながら、iPhone 11であれば6回は充電できるという大容量で、緊急時の持ち出しにも最適です。
また、車を所有している方であれば、おそらくすでに持っている方のほうが多いかとは思いますが、車載用の充電器も必須です。
避難所やハザードマップの確認
備蓄するものの他に居住地域の避難所やハザードマップを確認しておくことも大切です。
なかなか避難場所を調べることはないとは思いますが、特に家族がいるかたは緊急時の共通認識として避難場所は決めておきましょう。
最寄りの避難所は必ず確認しておく
自宅から最寄りに避難所はどこになるのかは必ず確認しておくようにしてください。
地区ごとに避難所は必ず決められています。
いざという時に場所を探すようなことがないように、事前に避難所を確認しておくことは非常に重要です。
また、ハザードマップも確認しておき、自分の居住地域にはどのような災害リスクがあるのか、いざという時には、どのルートを通って避難所に行けば安全なのかなど、シミュレーションをしておくとよいでしょう。
家族での集合場所も事前に決めておく
家族で災害時の集合場所を決めておきましょう。
全員で避難所へ集合できるように、自宅の玄関に集まるなど事前に決めておくとよいでしょう。
また、災害時に家族と離れる可能性が高い家族にはあらかじめ連絡手段などを伝えておくとよいでしょう。
災害時には電話は繋がりにくくなるので、家族のグループラインなども作っておくと安心です。
台風が発生した時の備え
「台風が発生した」「数時間後には水害が起こるかもしれない」
このように危機が差し迫ったタイミングには、できる限り自宅や家財に被害が及ばないように対応すること、そして大きな災害に備えておくことも重要です。
具体的には以下の対応をして大きな災害に備えてください。
- 自宅の水はけをよくしておく
- 窓には飛散防止テープを貼っておく
- 自宅内での浸水被害軽減措置をとっておく
- モノを2階や高い場所へ移しておく
- 充電できるものは全てフル充電に
自宅の水はけをよくしておく
自宅の水はけをよい状態にしておきましょう。
具体的には以下の2点です。
- 自宅周りの側溝の掃除
- 雨どいの掃除
この2つを行なっておくだけで、自宅への浸水を防ぐ効果は高くなります。
普段から掃除ができていない場合には、台風到来前に危険のない範囲で掃除をした方がよいでしょう。
また、外に出ているプランターやカーステップなども数によって飛ばされて自宅や近隣に被害をもたらす可能性もあるので片付けておいた方がよいでしょう。
窓には飛散防止テープを貼っておく
強風や、飛ばされてきたモノによって窓ガラスが割れた場合に備えて、飛散防止テープも貼っておいた方が安心です。
飛散防止テープは養生テープのようなものではなく、窓全体を覆うことができる飛散防止フィルムの方がよいでしょう。
水のうを利用して自宅内での浸水被害軽減措置をとっておく
自宅内で浸水の被害を軽度に留めることができるように、水のうを活用することも大切です。
水のうとはゴミ袋などに、水を入れておくことで逆流防止や止水板の代わりとして使うことができるものです。
例えば水のうをトイレ便器の中・浴室、浴槽、洗濯機の排水溝に入れることで逆流を防ぐことができますし、床下収納のフタの上に置いておくことでも効果的です。
作り方は簡単で、40~45リットル程度の大きめのごみ袋2枚を重ねて水を入れ、中の空気を押し出して袋の口をねじって縛り水が出ないようにするだけです。
1つにつき3分もあれば作ることができるので逆流しそうな部分に設置しておくとよいでしょう。
モノを2階や高い場所へ移しておく
自宅の1階にあるモノは2階などのできる限り自宅内の高い位置へ移しておきましょう。
筆者は「万が一の時も机の上に置いておけば大丈夫だろう」と精密機器や持ち出すほどではない貴重品などを机の上に置いていました。
しかし、水位は机よりも高く浸水し、家財の9割以上を処分することになりました。
アパートの1階だったので筆者の場合は2階に移動させることはできませんでしたが、クローゼットの上部や天袋に本当に大切なものは移動させておくことをおすすめします。
逆に、高い場所の収納スペースが限られているのであれば、大切ではない今収納されている物を出して重要な物を収納するようにしましょう。
これだけで数十万円から数百万円の被害を軽減することも可能なため、面倒ではあると思いますが緊急時には優先順位を決めて大切な家財を守ってください。
充電できるものは全てフル充電に
スマホ、タブレット、パソコン、モバイルWi-fi、蓄電池、防災ラジオなど、普段から充電をして使用しているものに関しては全て充電しておくようにしましょう。
また、自動車を持っている方は早めにガソリンを満タンにしておくことも忘れないようにしましょう。
近隣住民とのコミュニケーションをとっておくことも大切
台風到来などの前には近隣住民とコミュニケーションをとっておくことも大切です。
避難場所などへ一緒に避難するなど、災害時には近所での助け合いが非常に重要になります。
日頃からコミュニケーションをとっておくのと同時に、災害前は特にコミュニケーションを密に取り、お互いが安否確認などをできるようにしておきましょう。
台風などによる水害で火災保険を申請するとき、
知らないうちに損しているかもしれません。
火災保険の申請は、一度プロに家の状態を見てもらってからがオススメ!
数百万円の補償金が降りることもある火災保険なので、
知らないと数十万円も損してしまうケースも?!
まとめ
近年の台風は非常に大型化しており、大規模な水害は毎年のように発生しています。
自宅が流されるレベルの水害はいつどこで起きてもおかしくありません。
台風災害には事前に備えておくことが最も重要です。
最低でも72時間は生活できるように、普段から防災グッズを非常用持ち出し袋に入れておくとともにスマホの電池が切れない準備もしておくようにしましょう。
台風は「あと何時間後に到来する」という予測を立てることができる災害です。
そのため、台風到来前には水害を少しでも軽くできるように、様々な準備を最後まで怠ることがないようにしましょう。