生活再建に向けて

台風で床上浸水/床下浸水したらどう対処する?水抜きや乾燥の方法を紹介

台風によって床上・床下浸水してしまうという被害が近年の水害によって多発しています。

2019年、日本全国に甚大な被害をもたらした台風19号によって、筆者は台風19号で自宅が床上浸水(区分は半壊)し、自宅を失うこととなりました。
台風19号で床上浸水した自宅

この記事では、筆者が実際に被災した経験をもとに、床下浸水と床上浸水それぞれの修繕法について解説していきます。

床下浸水を放置する2つのリスク

床下浸水とは、普段の生活とは関係のない床の下が浸水したということですので、「床下浸水くらい放っておいても生活には影響ないのでは?」と思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、床下浸水は放っておくと自宅に対して以下の深刻な悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

まずは床下浸水を放置する2つのリスクについて詳しく解説していきます。

住宅基礎や配管へ重大な悪影響

床下浸水を放置してしまうと、住宅基礎や配管へ重大な悪影響を及ぼしてしまうリスクがあります。

具体的には以下のような悪影響が想定されます。

  • 住宅基礎の木材が腐敗する
  • 床を支える床束の釘や鋼製束の錆びつき
  • 床下や壁の断熱材が吸水しカビが発生

いずれの被害も浸水から時間が経過した後に発生する可能性があるので、しばらくは「床下浸水の影響は何もない」と考えていても、後から床下浸水の悪影響が生じてしまう可能性があります。

また、床下には電気の配管がある住宅が多数あります。

床下を浸水したままにしておくことによって、電気の配管が濡れたままの状態になってしまい、そこから火災に至る可能性があります。

さらに水道配管がある場合には、配管が浸水によって痛みそこから漏水する恐れがあります。

自宅の床下には、自宅の基礎となるようなインフラが多数設置されているので、浸水によって自宅の基礎機能が壊れてしまう可能性があります。

カビや害虫が発生するリスクあり

また、浸水によってカビや害虫が発生するリスクもあります。

浸水によって感染症の原因となる細菌などが流れてくる可能性があるので、シロアリなどの害虫が発生したり、カビが広がるなどのリスクがあります。

床下浸水した場合の対処法

床下浸水してしまったら、以下の順番で修繕を行なっていく必要があります。

  1. 排水作業
  2. 乾燥作業
  3. 消毒作業

床下浸水時のそれぞれの対処法について詳しく解説していきます。

まず排水作業を行う

床下浸水したら、まず必要なことは排水作業です。

床下浸水で一見家の中は無事なようにも思えてしまうかもしれませんが、床下には電気の配管や断熱材などが設置してあり、床下浸水を長時間放置してしまうと、機能が損なわれるだけでなく、火災が発生する恐れもあります。
水害によって発生した床下浸水の場合、雨水だけではなく近隣の河川の水、土砂、そのほかの汚水なども混ざっているため、感染症などのリスクも考えられます。

自分で行う場合の排水作業の順番は以下の通りです。

  1. 床板を外して床下の排水作業がしやすい状態にする
  2. 水量を確認する。多い場合は排水ポンプ、少ない場合はバケツなど必要な道具を確保し排水
  3. 床下の泥はスコップで掻き出す
  4. 最後に真水で洗い流し、スポンジや雑巾などで水分を拭き取る

床板を外すことになるため、バールなどの工具が必要となります。
自分で行うことが難しい場合には、ボランティアや支援団体などの力を借りて排水作業を行うようにしましょう。

また、排水作業の後には、地面に溜まっている泥を掻き出す必要もあります。
この排泥も細菌が溜まっており、感染症などの恐れがありますので、マスクとゴム手袋などを着用したうえで、スコップやシャベルなどの道具を使って行なってください。

排水・排泥が完了したら乾燥作業

排水が完了したら乾燥作業を行います。

扇風機や送風機で乾燥させる必要がありますが、季節によっては乾燥するまでに1週間程度、もしくはそれ以上の時間がかかります。

最初は床板を外した状態で乾燥させ、その後は、通気口などから扇風機や送風機の風を送り込み、継続的に乾燥作業を続け、確実に乾燥を完了させましょう。

なお、電気系統が水害によって故障している場合もありますので、扇風機や送風機の使用の前には、管轄の電気事業者に点検を依頼し、問題なく使用できるのかを確認するようにしてください。

また、温風の出る扇風機や暖房器具を使うと乾燥の時間は早くなりますが、床下で一度濡れてしまった電気の配線などが温風によって暖められ、更なる故障や火災の原因にもなるため、絶対に使用しないてください。

消毒作業も忘れずに

排水・乾燥が終了した後は消毒作業が必要になります。

台風によって浸水した水には細菌が入った汚水や下水も混じっているので必ず殺菌が必要です。

一般的に床下浸水に対する消毒で利用されている消毒は消石灰です。

強いアルカリ性を持った殺菌性の強い白い粉末で、吸い込むことなどは危険ですのでプロに依頼した方がよいでしょう。

一般的に消毒は行政が業者とともに用意してくれるケースが多いので、とにかく排水から乾燥までを自分の手で行う努力をしておきましょう。

なお、筆者が台風の被害に遭った際には、行政から除菌用のスプレーなどがもらえましたので、業者に依頼する前にそれだけでも散布しておくと少しばかりでも効果があるはずです。

床上浸水の対処はさらに大変

床下浸水に対する対処は、水を抜き乾燥させ消毒するだけですので、やろうと思えば自力で修繕をすることができます。

しかし、床上の浸水になってしまうと事態はそれほど簡単ではありません。
特に断熱材がふんだんに使われている現代の住宅では一度床上浸水してしまうと、壁も床も全てが使い物にならなくなってしまいます。

そのため、修繕にかかる時間もお金も膨大なものになることを覚悟しておかなければなりません。

自宅が床上浸水した場合にどのように修繕していくのか、また予算はどの程度かかるのか、詳しく解説していきます。

床と壁は全て交換になる

床上浸水をしてしまった場合、床と壁は基本的に全て交換になると考えておいた方がよいでしょう。

床上に浸水すると、基本的に壁は全て取り替えなければならないと考えておきしょう。
現代の住宅の壁には全て断熱材が含まれているためです。

そして断熱材は多くの場合で繊維系(グラスウールやロックウール)を使用しています。

繊維系の断熱材が水に濡れてしまうと、スポンジが水を吸うように浸水した水を吸ってしまい、半永久的に水を吸った状態のままになってしまい乾くことはありません。

また、床に関しても最近の住宅の床には合板の上に仕上げ材を接着したフローリングとなっているので、水に濡れることによって接着してある仕上げ材が剥がれて床がボロボロになってしまいます。

このような理由によって床上浸水をしてしまうと、床と壁は全て剥がして取り替えなければなりません。

設備と家具も全て交換

また、キッチン、洗面台、お風呂などの設備も全て取り替えが必要だと理解しておいた方がよいでしょう。

キッチンや洗面台には木製のキャビネットが使用されている場合がほとんどですので、浸水によってボロボロになり使用不能となってしまいます。

また、トイレやお風呂も多くの場合で泥が詰まってしまうことによって取り替えが必要になるケースが大半です。

全てを撤去後、乾燥、消毒後に入れ替える

床上浸水してしまうと、基本的には床、壁、住宅設備などすべてのものは撤去になります。

撤去後に乾燥をして、その後消毒をすることによってようやく新しい床や壁を入れることができます。

500万円以上の費用がかかる

床上浸水をすると、1階のものは全て取り替えになります。

これだけの工事を自分で行うことはほぼ不可能ですので、基本的には業者へ依頼することになります。

業者に依頼した場合には、費用は500万円程度は見ておいた方がよいでしょう。

火災保険に台風による水害の補償が付帯されていた場合には、保険から修繕費の補償を受けることができます。

まずは、火災保険の契約内容を確認し、申請の連絡をしましょう。
そのうえで、案内された流れに則って申請し、リフォームを完了しましょう。

なお、台風などによる水害で火災保険を申請するとき、知らないうちに損しているかもしれません。
火災保険の申請は、一度プロに家の状態を見てもらってからがおすすめです。

数百万円の補償金が降りることもある火災保険なので、知らないと数十万円も損してしまうケースもあります。

火災保険の申請時に必要な調査は専門の業者に無料で依頼することができますので、ぜひご利用することをおすすめします。

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まとめ

床下浸水をした場合も、床上浸水をした場合も、排水、乾燥、消毒という対処をしなければなりません。

特に床上浸水の場合には、床、壁、家財など1階にあるものは全て廃棄の上取り替えになります。

浸水を放置するとカビや害虫の発生や、住宅基礎の破損などに繋がることがあるので、少しの浸水だからと放置せずに適切な方法で対処するようにしてください。