生活再建に向けて

罹災ゴミ(り災ゴミ)の出し方・処分方法とは?回収期間が終わったらどうする?

この度の台風で被害に遭われた方には、お見舞い申し上げます。
1日も早く元の生活に戻れるように、心よりお祈りしております。

当サイトでは、台風で自宅が半壊した実体験と公的機関の正しい情報をもとに、どのように復旧していけばいいのか、被災後の対応をご紹介しています。

被災者の方には、心と身体のケアを一番に考えていただき、ご無理のないように復旧作業を進めていただければと思います。

この記事では、罹災ゴミ(り災ゴミ)の出し方・処分方法についてご紹介しています。
※罹災ゴミ:台風や火災などの災害で被害を受けたゴミ(家財等)のこと

ただし、罹災ゴミの出し方は、台風の規模や地域によって異なります。
基本の流れはこの記事ですべて解説いたしますが、詳細は市区町村のホームページや役所の担当課に電話でご確認ください。

※目次から欲しい情報までジャンプすることができますので、ぜひご活用ください。

罹災ゴミの処分の前に保険請求の準備を

台風によって被害を受けた後は、自宅の床などへの悪影響などもあるため、なるべく早く罹災ゴミを家から出して床を綺麗にする必要があります。

ただし、すぐに家の中を綺麗にしようと罹災ゴミを搬出してしまうのではなく、事前に行っておかなければいけないことがいくつかあります。

その1つが火災保険/家財保険の請求の準備です。

台風などの災害で自宅や家財が被害を受けた時、火災保険や家財保険を請求することで、補償金を受け取ることができます。

保険請求のためには、加入の保険会社の規約(保険約款)と保険会社からのアナウンスに則って進めていく必要がありますが、ほとんどの保険会社では被害状況の写真の提出が求められます。

どんな家財があったのかを証明するために写真を撮るのですが、先に家財を処分してしまうとその証明ができなくなってしまい、補償金を受けられない可能性が出てきます。

台風被害を経験した身として、一刻も早く家の中を片付けたい気持ちは十分に理解しておりますが、大きな金額に関わる重要なステップですので、忘れず確実に写真は撮っておきましょう。

まず保険会社に電話で流れを確認して、「家財を処分してもいい」という言葉をもらってから家財を処分しましょう。

筆者の場合、「出来れば鑑定まで荷物を残しておいてほしい(処分してはいけないわけではない)」と無理を言われ、賃貸物件で引越しをすぐに決意したため、あえて家財を処分せずそのままにしていました。

※この判断のおかげもあってか、鑑定の方も親身になってくれ、補償金で500万円弱を受け取ることができました。

賃貸物件でもうその家には住めないと判断した場合には、すぐに処分せずにそのままにしておく選択肢もありますので、ぜひ参考にしてください。

基本の罹災ゴミの出し方

ここからは罹災ゴミの出し方についてですが、まずは基本の罹災ゴミの出し方についてご紹介します。

“基本の”としている理由としましては、大規模な台風によって甚大な危害が出た場合は、例外的にこの通りにならないことが多いためです。

台風直後のニュースなどで、罹災ゴミが山積みにされているのを目にしたことがあるかと思いますが、これが例外に当たります。

<例外イメージ>

ただし、こういった対応は、災害が起きて「場当たり的に」アナウンスされるため、まずは基本の罹災ゴミの処分方法から見ていきます。
※例外時の罹災ゴミの出し方については、この後詳しくご紹介いたします。

以下は相模原市の「り災ごみの出し方」(http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/recycle/katei/1008320.html)を参考・引用しています。

ステップ1:罹災証明書(り災証明書)の取得

罹災ゴミを処分するには、その家財等が罹災(災害によって被害を受けたこと)したことを証明しなければなりません。

そこで、家財等の罹災を証明するのが罹災証明書です。

<実際の罹災証明書>
罹災証明書

罹災証明書は市区町村が発行しており、
申請→現地調査→罹災証明書の発行
という流れが原則となるため、発行までは時間がかかります。

罹災証明書の発行までに時間を要すると判断された場合、罹災届出証明書という「罹災証明書の申請を届け出ていることを証明するための証明書」が発行されることもあるようです。

ただし、この罹災証明書の発行までの流れもあくまで原則であるため、大規模災害時には対応が異なる場合があります。

※台風19号での大田区(田園調布特別出張所)は被害が甚大であることが明らかだったため、本人確認資料を持参すればエリアの確認のみで手書きの罹災証明書が発行されました。

後日現地調査が行われ、正式な罹災証明書が発行されましたが、手書きの罹災証明書でも一連の手続きは行えたため、被害の大きな場合はこういった対応を取ることもあるようです。

罹災証明書の発行方法は、以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、併せてご覧ください。

【台風/床上浸水】罹災証明書(り災証明書)の申請方法を分かりやすく解説罹災証明書を申請から取得するまでの流れについて解説します。 台風や地震などの災害によって自宅に被害があったら、必ず罹災証明書が必要...

ステップ2:清掃工場に罹災証明書を持参して協議を行う

罹災証明書、もしくは罹災届出証明書を取得したら、清掃工場(清掃事務所など、いわゆるごみ収集所)まで向かいます。

清掃工場では、荷物を持ち込む日程を調整したり、どんな荷物が持ち込めるのかの説明を受けたりします。

清掃工場によって処理できるものが異なるため、この協議が必要となります。

ステップ3:罹災ゴミを清掃工場まで持ち込む

この2つのステップを踏んだうえで、やっと罹災ゴミは処分できます。

罹災ゴミは原則として、罹災者(被災者)自身で清掃工場まで持ち込まなければいけません。

ただし、自身で荷物を持ち込むことができない場合は、清掃工場のスタッフがトラックで自宅まで来てくれ、回収してくれることもあります。

  1. 運転免許証を持っていない
  2. 身内に車を運転できる人がいない
  3. ボランティアに頼むことができない
  4. などの事情がある場合は、協議段階でそのことをしっかりと伝えておくことを忘れないようにしましょう。

    なお、通常の荷物を清掃工場に持ち込んで処分する場合には「ゴミ処理手数料」などがかかりますが、罹災ゴミであれば手数料などの料金は全て免除されるため、無料で処分が可能です。


    ここまでの3ステップが罹災ゴミを処分する基本の3ステップです。

    しかし、冒頭でもご紹介したように、台風の規模や状況によってはこの通りにならないこともあります。

    以下では、大規模な台風のときの処分方法や業者に処分を依頼する方法などをご紹介していきます。

    罹災ゴミの処分を業者に依頼する方法

    罹災ゴミの処分は業者に依頼することもできます。

    業者に罹災ゴミの処分を依頼するのにかかった費用は保険の範囲内になるため、多くの場合では自己負担金は発生しません。

    ただし、業者に依頼するのにも注意が必要です。

    罹災ゴミ(災害廃棄物)はその市区町村から一般廃棄物収集運搬業などの許可を得ている業者でなければ、本来は請け負うことができません。

    しかし、台風が発生すると、市区町村から許可を得ていない不用品回収業者などが被害のあった地域で処分の代行や仮置き場までの運搬を違法に請け負っていることがあります。

    <参考:外部リンク>
    https://www.city.iwanuma.miyagi.jp/kurashi/gomi-recycle/kaishu-chui.html

    罹災ゴミ運搬の料金を保険請求する場合、違法業者に依頼していると最悪の場合、補償金がおりないことも考えられます。

    違法業者に騙されることで自身が罪に問われることは考えられませんが、違法業者に依頼してしまわないようにご注意ください。

    もし、罹災ゴミの運搬を業者に依頼する場合、「〇〇(お住まいの市区町村) 一般廃棄物 業者」と検索すると、その市区町村のホームページから業者一覧を見ることができます。

    以下のリンクをクリックすると「一般廃棄物 業者」の検索結果が出ますので、お住まいの市区町村を追加して再度検索をしてください。
    是非ご活用いただければと思います。

    一般廃棄物 業者

    罹災ゴミの出し方【大規模台風の場合】

    基本となる罹災ゴミの処分方法との原則をご紹介してきましたが、ここからは大規模な台風が発生した時の罹災ゴミの処分方法をご紹介していきます。

    大規模な台風と一括りにしてしまいましたが、やはり地域によって罹災ゴミの出し方には差があります。

    罹災ゴミを仮置きできるだけの開けた土地のある地方などの地域では仮の収集所が設けられますが、住宅地で広い土地のない場所では家の前の道路脇やマンションの共用スペースなどに罹災ゴミを置いていくことになります。

    しかし、いずれにしても住宅へのダメージを考えると一刻も早く家の中から罹災ゴミは出しておくべきです。

    罹災ゴミの収集に関しては、市区町村からアナウンスがありますので、保険会社への電話や被害状況の撮影を終えたら、ひとまず家財は家の中から搬出しておきましょう。

    搬出する際には、まずガス漏れをしていないか確認したのちにブレーカーを全て落とし、カビが生えている可能性があるので窓を全て開けた上で、マスクと軍手を必ず着用して行います。

    1人で搬出すると、大きな荷物が持てない上に足などに落とす危険もあるので、地域住民の方と協力して搬出することをおすすめします。

    大規模災害時、どなたも荷物の搬出に困っていますので、「搬出のお手伝いをするのでこの後手伝っていただけませんか?」と声をかけると快く承諾してくれる人もすぐに見つかるはずです。

    緊急時こそ地域の協力とよく耳にするかと思いますが、まさにその通りで、人数が増えるのは単純に倍の作業効率になるわけではなく、倍以上の作業効率が期待できます。

    また、ちょっとずつでも話をしていると1人で塞ぎ込んでしまうことがないので、精神的にもいい面があります。

    誰もが大変な時期に声をかけるのはなかなか難しいかもしれませんが、誰しも困っている時だからこそ声をかけてみてください。

    罹災ゴミの収集期間が終わってしまったらどうする?

    令和元年台風19号の筆者の場合、保険会社の鑑定が入るまで罹災ゴミを処分しない選択をしたため、10/12の台風発生から10月後半に鑑定が行われるまで家の中をほとんどそのままにしていました。

    次の家を探すのにも難航していたため、実際に家の中を片付けたのは12月に入っており、その頃には罹災ゴミの収集期間は終わっていました。
    ※自宅前まで回収に来てくれる期間

    ケースとしてはあまり多くないとは思いますが、このように回収期間が終わってしまうこともあるかと思います。

    本来であれば記事前半でご紹介したように清掃工場まで持ち込まなければいけないのでしょうが、実際に大きなソファーや棚などを自家用車で運ぶのは現実的ではありません。

    そこで清掃事務所に相談したところ、「自宅前まで搬出してもらえれば所定の日程で回収に伺います」とおっしゃっていただき、大きな荷物は全て回収してくれました。

    袋に入るような小さなゴミは、分別してゴミの日に出せばいいということでしたので、無事全て罹災ゴミを処分することができました。

    このように収集期間が終わってしまった時や自分で荷物を搬出できないなどは、まず地域の清掃事務所(清掃工場)に相談をしてみてください。

    大規模災害が発生すると、清掃事務所(清掃工場)もパンク寸前まで忙しくなってしまうため、すぐに対応できないこともあるかと思いますが、最善の提案をしてくれるかと思います。

    清掃事務所や清掃工場は、市区町村が管理している公的な施設であるため、業者のような柔軟な対応や即日対応はできないことが少なくありません。

    しかし、それは台風などの緊急時であってもあなた1人のみに特別な対応ができない「致し方ない」ことですので、担当者の方に無理を言うことがないようにしましょう。